デビューアルバム曲作り
ご意見、ご感想、いつでも気軽にメール下さい。
vocalism.niihara@gmail.com
基本的に僕の方から個人への返事はしませんが、よっぽど必要と思われる方へはご返事をさせてもらいます。
これはと思うご意見、ご質問は、質問者匿名の上、このブログ上でお答えさせてもらいます。
*********************
数週間ほどで事務所とのデビュー前の打ち合わせもほぼ終わった。
ロックに精通している若手プロデューサーが多かったのもあって、あまりロックとかけ離れたようなイメージ戦略や音楽の方向にはならず、むしろ色々と勉強になる打ち合わせだった。
事務所の心意気も分かった。
当時のBeingのスタッフは少数精鋭部隊だった、そして皆優秀で勤勉なスタッフばかりだった。
後に彼等の多くはBeingから独立して、日本の音楽業界で素晴らしい業績をあげた。
大手レコード会社の社長にまで昇りつめた人もいる。
デビューアルバムのレコーディングが決まった。
僕達は目前に迫ったデビューアルバムに向けて曲作りに励んだ。
タッカンは毎回リハーサルの度に数曲のアイデアを提供した。
僕達はそのタッカンのアイデアを元に、セッションを繰り広げて曲を完成させていった。
大まかに言ってこんな感じだ。
1 タッカンがメインテーマとなるギターのリフを弾く。
2 ひぐっつあんがそれを聞きながらテンポやリズムパターンを即座に反応。
3 マー君がリフをタッカンから教えてもらってひぐっつあんのリズムに合わせて弾く。
4 しばらく3人でどのグルーブが一番気持ち良いか、色んな速さやパターンを試行錯誤
5 それを聞きながら僕が滅茶苦茶な英語で適当に叫ぶ、歌う。
6 タッカン、全体のコード進行をすでに考えている場合が多いけれど、僕らの3人のパフォーマンスで他のパートのコード進行やらのアイデアが沸きあがることもあった。
7 曲の骨格が出来上がると、何度も頭から演奏して体に曲を叩き込む。
8 ソロパートもセッションの勢いで出来上がることもしばしばだったし、ソロだけ別の日に構築したものを考えて持ってくることもあった。
9 数時間この作業をくりかえして曲はほぼ出来上がる。
10忘れないように、全てのセッションはカセットテープレコダーに録音した。
11僕はそのテープを持って帰って歌のメロディーをまとめて歌詞を考えた。
12細々とした決めフレーズなどはレコーディングの現場で決めた。
この曲作り方法は基本的に今も変わっていない。
セッションを録音し続けるというのは大事だった。
と言うのも、みんなアドリブで演奏しているので、どんな凄いフレーズが飛び出てくるか分からないからである。
スタジオの外にはステレオ完備の簡易応接間があって、曲が大体まとまる度にその応接間で録音したテープを聴きながら「このフレーズ使おう!」とか「この部分のコードを変えよう」とか「この歌のメロディー使おう」とか色々意見を出しあった。
こんな感じで1日に3曲ほどはコンスタントに出来上がった。
デビューアルバムレコーディングの前にはアルバム数枚分のアイデアが出来上がっていた。
デビューアルバムに収録されているオープニングナンバー「LOUDNESS」のリフを始めて聞いたときの興奮は今でも手に取るように覚えている。
まず、イントロのギターのアームダウンを駆使した咆哮部分、既に決まっていたかのように自然に出てきたアイデアだった。
タッカンがあの咆哮イントロでひとしきりイントロを盛り上げて、この曲のメインテーマのシャッフルのリフを弾き出した瞬間、僕は全身に電気が走った。
(ウォ~~~~こ、これは、すげ~~~~~!!!)
ボーカルメロディーも既に知っている曲であるかのように即座に溢れ出てきた。
ドラムパートもベースパートもすべて、すでに何度も演奏しているかのように自然にまとまった。
あれよ、あれよという間に全てのパートは瞬時に出来上がった。
まさに、バンドケミストリーの真骨頂である。
よく出来た曲はこう言う具合に瞬時に出来上がることが多い。
勿論、時間をかけて練りに練って出来上がる場合も多いけれど、即出来上がる曲には強い生命力が宿っていると言うのか、後にまで人気が続き、そのバンドの代表曲となる場合が多い。
「TO BE DEMON」のセッションも凄まじかった。
頭の静かな部分から徐々に曲のテンションが上がって行き最終的にパワー全開で暴れ回るのだが、あの曲作りセッションでのギターソロ・・・あの神がかり具合は尋常ではなかった。
タッカンの火を噴くようなスピードと泣きのソロ、まさに狂気であり天使でもあった。
この曲を演奏した後のカタルシスたるや・・・・。
僕はこのリハーサルでやっていたあの恐ろしいまでの爆発した演奏を知っているので、レコーディングにおいてその爆発振りが少し影を潜めて録音されているのが残念だった。
ある意味、レコーディングの難しさの一面を知ったのであった。
「ROCK SHOCK」のセッションも凄く記憶に残っている。
あの曲も「LOUDNESS」同様あっという間に出来あがった曲だ。
僕達それぞれの個性が存分に発揮されている曲だと思う。
タッカンの少しパンキッシュな早いイントロリフに、即効反応したひぐっつあんとマー君。
あの印象的な早いリフでありながら、とてもフックがあり覚えやすいギターリフ。
このリフでバンドは面白いほどに火がついた。
あのリフでバンドはまさにトランス状態に至った。
ボーカルので出しのブレークパートのヴォーカルメロディー、考えるまでもなく体が、本能が、反応したフレーズであった。
何もかもが4人の本能むき出しのまま瞬時に出来上がった。
セッションを数回やって録音したテープを聴いて狂喜乱舞した。
まさにLOUDNESS独自のグルーブを持った黄金のメタルナンバーである。
僕達はこの曲が大好きだった。
この曲を演奏していると自然と笑顔になった。
会心のR&Rナンバーが完成した。
タッカンはギターリフ作りにおいて、まさに天才的な感覚、ひらめきを持ったギターリストである。
そして、まさにギターリフの打ち出の小槌、ギターリフの宝庫であった。
滝の如く溢れ出るギターリフにはキラキラ煌く黄金の輝きがあった。
はっきり言う、キャッチーなギターリフができると言うのは天才である。
小難しいギターソロは練習で克服できても、キャッチーなギターリフのアイデアは練習しても浮かばない。
これはもって産まれた才能のある人のみに可能なことである。
キャッチーなギターリフを書くバンドのギタープレイヤーはみな伝説になっている。
これは疑問を挟む余地のない話である。
デビューアルバムの曲は、我々の頭ではなく本能で完成させた曲ばかりであった。
デビューアルバムの曲は、感情ほとばしる究極のナンバーを選曲したアルバムであった。
僕達の魂の競演の結晶であった。
vocalism.niihara@gmail.com
基本的に僕の方から個人への返事はしませんが、よっぽど必要と思われる方へはご返事をさせてもらいます。
これはと思うご意見、ご質問は、質問者匿名の上、このブログ上でお答えさせてもらいます。
*********************
数週間ほどで事務所とのデビュー前の打ち合わせもほぼ終わった。
ロックに精通している若手プロデューサーが多かったのもあって、あまりロックとかけ離れたようなイメージ戦略や音楽の方向にはならず、むしろ色々と勉強になる打ち合わせだった。
事務所の心意気も分かった。
当時のBeingのスタッフは少数精鋭部隊だった、そして皆優秀で勤勉なスタッフばかりだった。
後に彼等の多くはBeingから独立して、日本の音楽業界で素晴らしい業績をあげた。
大手レコード会社の社長にまで昇りつめた人もいる。
デビューアルバムのレコーディングが決まった。
僕達は目前に迫ったデビューアルバムに向けて曲作りに励んだ。
タッカンは毎回リハーサルの度に数曲のアイデアを提供した。
僕達はそのタッカンのアイデアを元に、セッションを繰り広げて曲を完成させていった。
大まかに言ってこんな感じだ。
1 タッカンがメインテーマとなるギターのリフを弾く。
2 ひぐっつあんがそれを聞きながらテンポやリズムパターンを即座に反応。
3 マー君がリフをタッカンから教えてもらってひぐっつあんのリズムに合わせて弾く。
4 しばらく3人でどのグルーブが一番気持ち良いか、色んな速さやパターンを試行錯誤
5 それを聞きながら僕が滅茶苦茶な英語で適当に叫ぶ、歌う。
6 タッカン、全体のコード進行をすでに考えている場合が多いけれど、僕らの3人のパフォーマンスで他のパートのコード進行やらのアイデアが沸きあがることもあった。
7 曲の骨格が出来上がると、何度も頭から演奏して体に曲を叩き込む。
8 ソロパートもセッションの勢いで出来上がることもしばしばだったし、ソロだけ別の日に構築したものを考えて持ってくることもあった。
9 数時間この作業をくりかえして曲はほぼ出来上がる。
10忘れないように、全てのセッションはカセットテープレコダーに録音した。
11僕はそのテープを持って帰って歌のメロディーをまとめて歌詞を考えた。
12細々とした決めフレーズなどはレコーディングの現場で決めた。
この曲作り方法は基本的に今も変わっていない。
セッションを録音し続けるというのは大事だった。
と言うのも、みんなアドリブで演奏しているので、どんな凄いフレーズが飛び出てくるか分からないからである。
スタジオの外にはステレオ完備の簡易応接間があって、曲が大体まとまる度にその応接間で録音したテープを聴きながら「このフレーズ使おう!」とか「この部分のコードを変えよう」とか「この歌のメロディー使おう」とか色々意見を出しあった。
こんな感じで1日に3曲ほどはコンスタントに出来上がった。
デビューアルバムレコーディングの前にはアルバム数枚分のアイデアが出来上がっていた。
デビューアルバムに収録されているオープニングナンバー「LOUDNESS」のリフを始めて聞いたときの興奮は今でも手に取るように覚えている。
まず、イントロのギターのアームダウンを駆使した咆哮部分、既に決まっていたかのように自然に出てきたアイデアだった。
タッカンがあの咆哮イントロでひとしきりイントロを盛り上げて、この曲のメインテーマのシャッフルのリフを弾き出した瞬間、僕は全身に電気が走った。
(ウォ~~~~こ、これは、すげ~~~~~!!!)
ボーカルメロディーも既に知っている曲であるかのように即座に溢れ出てきた。
ドラムパートもベースパートもすべて、すでに何度も演奏しているかのように自然にまとまった。
あれよ、あれよという間に全てのパートは瞬時に出来上がった。
まさに、バンドケミストリーの真骨頂である。
よく出来た曲はこう言う具合に瞬時に出来上がることが多い。
勿論、時間をかけて練りに練って出来上がる場合も多いけれど、即出来上がる曲には強い生命力が宿っていると言うのか、後にまで人気が続き、そのバンドの代表曲となる場合が多い。
「TO BE DEMON」のセッションも凄まじかった。
頭の静かな部分から徐々に曲のテンションが上がって行き最終的にパワー全開で暴れ回るのだが、あの曲作りセッションでのギターソロ・・・あの神がかり具合は尋常ではなかった。
タッカンの火を噴くようなスピードと泣きのソロ、まさに狂気であり天使でもあった。
この曲を演奏した後のカタルシスたるや・・・・。
僕はこのリハーサルでやっていたあの恐ろしいまでの爆発した演奏を知っているので、レコーディングにおいてその爆発振りが少し影を潜めて録音されているのが残念だった。
ある意味、レコーディングの難しさの一面を知ったのであった。
「ROCK SHOCK」のセッションも凄く記憶に残っている。
あの曲も「LOUDNESS」同様あっという間に出来あがった曲だ。
僕達それぞれの個性が存分に発揮されている曲だと思う。
タッカンの少しパンキッシュな早いイントロリフに、即効反応したひぐっつあんとマー君。
あの印象的な早いリフでありながら、とてもフックがあり覚えやすいギターリフ。
このリフでバンドは面白いほどに火がついた。
あのリフでバンドはまさにトランス状態に至った。
ボーカルので出しのブレークパートのヴォーカルメロディー、考えるまでもなく体が、本能が、反応したフレーズであった。
何もかもが4人の本能むき出しのまま瞬時に出来上がった。
セッションを数回やって録音したテープを聴いて狂喜乱舞した。
まさにLOUDNESS独自のグルーブを持った黄金のメタルナンバーである。
僕達はこの曲が大好きだった。
この曲を演奏していると自然と笑顔になった。
会心のR&Rナンバーが完成した。
タッカンはギターリフ作りにおいて、まさに天才的な感覚、ひらめきを持ったギターリストである。
そして、まさにギターリフの打ち出の小槌、ギターリフの宝庫であった。
滝の如く溢れ出るギターリフにはキラキラ煌く黄金の輝きがあった。
はっきり言う、キャッチーなギターリフができると言うのは天才である。
小難しいギターソロは練習で克服できても、キャッチーなギターリフのアイデアは練習しても浮かばない。
これはもって産まれた才能のある人のみに可能なことである。
キャッチーなギターリフを書くバンドのギタープレイヤーはみな伝説になっている。
これは疑問を挟む余地のない話である。
デビューアルバムの曲は、我々の頭ではなく本能で完成させた曲ばかりであった。
デビューアルバムの曲は、感情ほとばしる究極のナンバーを選曲したアルバムであった。
僕達の魂の競演の結晶であった。
by loudness_ex
| 2008-06-24 07:57
