旅立ちそして東京
コメント沢山ありがとう!
全て目を通していますよ!
時間があればレスします!
ありがとう!!
************************
1981年3月、21歳になったばかりの僕は京都発東京行きの夜行バスに乗った・・・。

ポケットにはわずかなお金と、着替えが入ったボストンバッグが一つ。
手荷物は少なかったけれど、大きな希望と夢で胸がはち切れそうだった。
不安は無かったと言えば嘘になるけれど、怖いものは無かった。
80年代、大阪の人間が東京で仕事をすると言うことはとても大きな冒険だったし憧れでもあった。
一世一代の大仕事と言う大そうな話だった。
今の感覚から言えば、アメリカへ行って勝負するぐらいの感じだろうか?
なのに、僕は何の迷いも無く導かれるが如く新たな世界へ飛び込んだのだ。
京都は夜10時頃に出発したと思う。
高速道路に入り車窓から見える景色がタイムマシーンのような感覚に襲われた。

僕は時空間の長いトンネルの中を飛んでいるような錯覚を抱いた。
滋賀県「草津」インターを超えた時、異様に胸が高鳴った。
僕にとって、最南端は高校生の頃の修学旅行で行った鹿児島県で、最北(最東と言うのか?)は滋賀県の「草津」だったからだ。
滋賀県「草津」から先は行ったことが無い未踏の土地になる。
暗闇にそびえ立つ山々があたかも大きな生き物のように目に映った。
この「草津」から先には得体の知れない巨大な怪物が潜んでいるような気がした。
僕は窓の外を見ながら生まれ育った大阪のことや、家族のこと、学校の友人のこと、バンド仲間、そして京都へ残してきた恋人のことを考えた。
再び僕に猛烈な孤独感が襲ってきた。
(これで良かったのだろうか・・・?)
押し寄せては消える寂しさで呼吸が苦しくなった・・・。
長い真っ暗なトンネルが永遠に消えないような気がした。
そして僕はいつのまにか眠ってしまった。
白々と夜が明け始めた頃に目が覚めた。
(ここはどの辺かな?・・・)
窓の外を見るとそこはもう東京だった。
始めてみる東京・・・。
東京タワーが見えた!
国会議事堂が見えた!
霞ヶ関ビルが見えた!
(わっ!ついに、ついに来たで~~~~~東京!!)
僕はすっかり目が覚めて食い入るように町並みや人々を見た。
程なくバスは東京八重洲口に到着した。

僕は始めて東京に降り立った!
僕は震えた・・・寒いからではない、武者震いだ。
いったいこれから先僕はどうなるのか・・・?
どんな音楽を作るのだろうか?
夢にまで見たレコードを本当に作るのだろうか?
本当に世界へ行くのだろうか?
歯がガチガチ言うほどに震えが止まらなかった
時間を見るとまだ朝が早い・・・
(いくらなんでも、ひぐっつあんへの電話はまだ早すぎるなぁ・・・)
京都にいる頃、当面の東京の生活など電話でひぐっつあんと話をしていたので心配は無かった。
取りあえず腹ごしらえをすることにした。
空腹だった・・・。
(そう言えば昨日実家で食べて以来何にも食べてなかったなぁ・・・)
立ち食いそばやが目の前にあった。
(「ふじそば」・・そばでも食べようか・・・・)
たぬきそばを頼んだ。
初めて見る東京のたぬきそば、愕然・・・。

(げっ!揚げが無いやん・・・これ天カスやん・・・どういう事?・・・)
そして、とどめはそば汁の色だった、僕は腰を抜かした。
(何や!!この真っ黒けの汁は!!!どんぶりの底が見えへんがな!!!)
東京に着いて10分でもの凄いカルチャーショックを受けた。
(うわ~こんなんでやって行けるかなぁ・・・)
僕はいきなり大きな不安を感じたけれど、そばを食べてみたらそれほど不味くは無かったので安心した。
そばを食べて、しばらく時間を潰してひぐっつあんに電話した。
「プルルルル・・・・プルルルル・・・」
待てど暮らせどひぐっつあんが電話に出ない・・。
(えっ!!嘘やん!!ひぐっつあん!!電話出て~~な!!)
僕は八重洲口でいきなり路頭に迷った気分になった。
仕方が無いので、再び喫茶店で時間を潰した。
メニューを見ながら店内の会話する人達の日本語に耳を奪われた・・・
(ギョ!!テレビのドラマのワンシーンやん!!ほんまにこんな喋り方すんねんな東京の人!)
僕は可笑しくなって半笑いのまま喋っているおばさんや、おじさんの言葉を聞いていた。
(ここは外国や・・異国や・・・えらいとこに来てもーたで~~・・)
まさに京都に来ている外国人ツアーリストの気分だった。
「すんませ~~ん、コーヒーと・・えっと、あとお絞りをもう一つたのんます・・。」
僕がその一言を言った瞬間だった、店のお客さんが一斉に僕を見た・・。
(ギョェ!俺なんかしたかな?)
関西弁がまだ市民権を得ていない時代だった・・・。
(あぁそうか・・大阪弁あかんねんぁ・・・)
下町の江戸っ子と思わせるおじさんの喋りを聞いていて東京も悪くないなと思った。
いやむしろ好きになれると思った。
時間を見たら12時前だった。
ぼくは急いでひぐっつあんに再び電話した。
眠そうな声でひぐっつあんが出た。
(あぁ~良かった・・・)
僕は胸を撫で下ろした。
「地下鉄で六本木駅まで来て西麻布に着いたら又電話頂戴。ほな!」
ひぐっつあんは眠そうな声でそう言うと即電話が切れた・・・。
(地下鉄ってどこにあるねん・・・)
僕はパニクった・・・
全て目を通していますよ!
時間があればレスします!
ありがとう!!
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1981年3月、21歳になったばかりの僕は京都発東京行きの夜行バスに乗った・・・。

ポケットにはわずかなお金と、着替えが入ったボストンバッグが一つ。
手荷物は少なかったけれど、大きな希望と夢で胸がはち切れそうだった。
不安は無かったと言えば嘘になるけれど、怖いものは無かった。
80年代、大阪の人間が東京で仕事をすると言うことはとても大きな冒険だったし憧れでもあった。
一世一代の大仕事と言う大そうな話だった。
今の感覚から言えば、アメリカへ行って勝負するぐらいの感じだろうか?
なのに、僕は何の迷いも無く導かれるが如く新たな世界へ飛び込んだのだ。
京都は夜10時頃に出発したと思う。
高速道路に入り車窓から見える景色がタイムマシーンのような感覚に襲われた。

僕は時空間の長いトンネルの中を飛んでいるような錯覚を抱いた。
滋賀県「草津」インターを超えた時、異様に胸が高鳴った。
僕にとって、最南端は高校生の頃の修学旅行で行った鹿児島県で、最北(最東と言うのか?)は滋賀県の「草津」だったからだ。
滋賀県「草津」から先は行ったことが無い未踏の土地になる。
暗闇にそびえ立つ山々があたかも大きな生き物のように目に映った。
この「草津」から先には得体の知れない巨大な怪物が潜んでいるような気がした。
僕は窓の外を見ながら生まれ育った大阪のことや、家族のこと、学校の友人のこと、バンド仲間、そして京都へ残してきた恋人のことを考えた。
再び僕に猛烈な孤独感が襲ってきた。
(これで良かったのだろうか・・・?)
押し寄せては消える寂しさで呼吸が苦しくなった・・・。
長い真っ暗なトンネルが永遠に消えないような気がした。
そして僕はいつのまにか眠ってしまった。
白々と夜が明け始めた頃に目が覚めた。
(ここはどの辺かな?・・・)
窓の外を見るとそこはもう東京だった。
始めてみる東京・・・。
東京タワーが見えた!
国会議事堂が見えた!
霞ヶ関ビルが見えた!
(わっ!ついに、ついに来たで~~~~~東京!!)
僕はすっかり目が覚めて食い入るように町並みや人々を見た。
程なくバスは東京八重洲口に到着した。

僕は始めて東京に降り立った!
僕は震えた・・・寒いからではない、武者震いだ。
いったいこれから先僕はどうなるのか・・・?
どんな音楽を作るのだろうか?
夢にまで見たレコードを本当に作るのだろうか?
本当に世界へ行くのだろうか?
歯がガチガチ言うほどに震えが止まらなかった
時間を見るとまだ朝が早い・・・
(いくらなんでも、ひぐっつあんへの電話はまだ早すぎるなぁ・・・)
京都にいる頃、当面の東京の生活など電話でひぐっつあんと話をしていたので心配は無かった。
取りあえず腹ごしらえをすることにした。
空腹だった・・・。
(そう言えば昨日実家で食べて以来何にも食べてなかったなぁ・・・)
立ち食いそばやが目の前にあった。
(「ふじそば」・・そばでも食べようか・・・・)
たぬきそばを頼んだ。
初めて見る東京のたぬきそば、愕然・・・。

(げっ!揚げが無いやん・・・これ天カスやん・・・どういう事?・・・)
そして、とどめはそば汁の色だった、僕は腰を抜かした。
(何や!!この真っ黒けの汁は!!!どんぶりの底が見えへんがな!!!)
東京に着いて10分でもの凄いカルチャーショックを受けた。
(うわ~こんなんでやって行けるかなぁ・・・)
僕はいきなり大きな不安を感じたけれど、そばを食べてみたらそれほど不味くは無かったので安心した。
そばを食べて、しばらく時間を潰してひぐっつあんに電話した。
「プルルルル・・・・プルルルル・・・」
待てど暮らせどひぐっつあんが電話に出ない・・。
(えっ!!嘘やん!!ひぐっつあん!!電話出て~~な!!)
僕は八重洲口でいきなり路頭に迷った気分になった。
仕方が無いので、再び喫茶店で時間を潰した。
メニューを見ながら店内の会話する人達の日本語に耳を奪われた・・・
(ギョ!!テレビのドラマのワンシーンやん!!ほんまにこんな喋り方すんねんな東京の人!)
僕は可笑しくなって半笑いのまま喋っているおばさんや、おじさんの言葉を聞いていた。
(ここは外国や・・異国や・・・えらいとこに来てもーたで~~・・)
まさに京都に来ている外国人ツアーリストの気分だった。
「すんませ~~ん、コーヒーと・・えっと、あとお絞りをもう一つたのんます・・。」
僕がその一言を言った瞬間だった、店のお客さんが一斉に僕を見た・・。
(ギョェ!俺なんかしたかな?)
関西弁がまだ市民権を得ていない時代だった・・・。
(あぁそうか・・大阪弁あかんねんぁ・・・)
下町の江戸っ子と思わせるおじさんの喋りを聞いていて東京も悪くないなと思った。
いやむしろ好きになれると思った。
時間を見たら12時前だった。
ぼくは急いでひぐっつあんに再び電話した。
眠そうな声でひぐっつあんが出た。
(あぁ~良かった・・・)
僕は胸を撫で下ろした。
「地下鉄で六本木駅まで来て西麻布に着いたら又電話頂戴。ほな!」
ひぐっつあんは眠そうな声でそう言うと即電話が切れた・・・。
(地下鉄ってどこにあるねん・・・)
僕はパニクった・・・
by loudness_ex
| 2008-06-11 20:26
