宇宙船地球号
LOUDNESSの新情報、特に書くことが無いんよ~ごめんね・・・。
とにかくひぐっつあんの回復の具合がどんな感じになるのかを知るのが先決。
それを見極めないと今後バンドをどう活動して行けばよいか判断できない。
なので、もうしばらく静観するしかないのが現状・ですね・・・
********************************************************************
母親から貰った電話番号は確かに03から始まる東京の番号だった。
(東京のレコード会社の人が何の用なんやろうか?)
頭の中が混乱した。
指定された日の時間に東京のレコード会社へ電話をした、するとすぐに折り返し電話くれた。
「二井原さんですか?ずっとあなたのことを探していました。」
電話口から馴染みの無い東京のアクセントが耳に飛び込んできた。
(うゎ!東京弁や・・・)
その男性の話す言葉で一気に現実に戻された。
「あなたに会ってもらいたい人がいるのですが・・・京都まで二井原さんに会いに行きますので時間を作って頂けませんか?」
後日、京都3条河原町にあるホテルの喫茶店で会うことになった。
僕が喫茶店に着くとすでに東京から来たと思われる男性二人がテーブルに座っていた。
一人はサラリーマン風でスーツを着た男性、もう一人は豹柄のジャケットにロングヘアーのいかにもロックミュージシャンといった若い男性だった。
僕が挨拶をするとその若いロック兄ちゃんは僕の顔をずっと凝視した。
(なんや・・・イメージが違うな)
僕を見た彼の表情がそう語っていた。
「始めまして、TレコードのNと申します。こちらは高崎晃さんというギタープレイヤーです。」
僕はその時「高崎晃」という名前を思い出せずにいた。
「二井原さんはレイジーと言うバンドをご存知ですか?」
(あぁっ!あのバンドのギターの人か!)
僕は即座に思い出した。
Nさんは何故僕に会いに来たかを丁寧に説明してくれた。
「この高崎晃のソロアルバムを作るので、そのアルバムで歌ってくれるシンガーを探しているのです」とレコード会社のNさんは言った。
「それで今、日本中でシンガーを探しています。実は二井原君がやっているバンド、アースシェイカーのバハマでのライブテープが手に入って、それを聞いた高崎君が二井原さんの声に非常に興味を持ったのです。」と矢継ぎ早に続けた。
「世界に通用する本格的なハードロックアルバムを作りたいねん。だから世界に通用できるような強力なヴォーカルを探してんねんけど・・。」と僕の目を見ながら初めて高崎君が話した。
「日本人離れした二井原君のそのハイトーンシャウトぐらいでないと高崎君のギターに負けてしまいます。とにかく、高崎君のハードロックギターに負けない「声」を探しています。二井原さん、是非オーディションを受けてくれませんか?」Nさんは僕への説得に熱が入った。
(世界って・・・世界に通用するハードロックって・・・マジかいな・・)
あまりの大きな話に僕は夢を見ているような感覚になった。
そして僕はかなり緊張していた・・・。
何をどう言って良いのかすぐには言葉が見つからなかった。
「・・・ハイ、分かりました、期待にそえるような歌が歌えるかどうか分かりませんけど・・オーディション受けて見ます。」
気が付けば僕はオーディション受ける返事をしていた。
僕が言ったのではない、誰かに言わされたような不思議な瞬間だった。
後先考えずに言葉が先に出ていた。
「良かった、では早速近いうちにスタジオに来てください。大阪でオーディションをやりたいと思います。場所は後日連絡します。」Nさんは嬉しそうに言った。
課題曲と言うことで高崎君から一本のテープを貰った。
「このテープの中のドリーマーと言う曲があるのでその曲を覚えてきてくれる?」
「後はアースシェイカーでやっているモントローズとかスコーピオンズの曲でも、二井原さんの得意な曲をやりましょう」
高崎君が目を輝かせながら言った。
カセットテープのケースを見ると「LAZY 宇宙船地球号」と書かれていた。
(宇宙船地球号・・・こんなアルバム出しているのか・・・随分とロックっぽいタイトルやな。いったいどんなサウンドなんやろ?)
東京から来た二人と別れ、下宿への帰りのバスの中で貰ったカセットケースを見ながらため息が出た。
(LAZYって「赤頭巾ちゃんご用心」しか知らんなぁ・・・あれはちょっと俺には無理やけどなぁ・・)
そんなことを考えながらテレビの「8時だよ全員集合!」で見たはっぴを着てコントをやっていたLAZYを思い出したりした。
(ポッキーって言う人しか顔は分からんなぁ・・。)
(でも、あのギターの人をハロヤンで観たときはリッチー完コピでGtr目茶上手かったなぁ・・)
様々なことが頭の中をグルグルとよぎった。
高崎君と始めて出会った夜、僕はガールフレンドに始めて今日あったことを話した。
「俺なぁ・・・近いうちにオーディション受けることなってん」
「何のオーディションなん?」
「なんやよう分からんねんけど、レージーって言うバンドの人のオーディションやねん。」
「えっ?あんたレージーに入いんのん?」
「いや~違うと思うけど・・でも、レージーに入るんかなぁ・・・俺・・」
大学入学の頃に僕が一目ぼれして、付き合い始めた彼女。
ずっと僕の音楽活動の一部始終を見てきた女性だった。
いつも僕と一緒にいて、僕を心から支えてくれた女性だった。
誰よりも僕の音楽を理解して、そして応援してくれた女性だった。
誰よりも僕の才能を信じてくれた女性だった。
そして僕は彼女をとても愛していた。
「あんた・・・東京に行くん?・・・一人で行くの?」
この言葉で初めて自分がこれからやろうとしている事に気が付いた。
「どーすんの?もしオーディション受かったら・・・」
東京がとてつもなく遠い所に思えた。
僕は返す言葉が無かった・・・・。
とにかくひぐっつあんの回復の具合がどんな感じになるのかを知るのが先決。
それを見極めないと今後バンドをどう活動して行けばよいか判断できない。
なので、もうしばらく静観するしかないのが現状・ですね・・・
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母親から貰った電話番号は確かに03から始まる東京の番号だった。
(東京のレコード会社の人が何の用なんやろうか?)
頭の中が混乱した。
指定された日の時間に東京のレコード会社へ電話をした、するとすぐに折り返し電話くれた。
「二井原さんですか?ずっとあなたのことを探していました。」
電話口から馴染みの無い東京のアクセントが耳に飛び込んできた。
(うゎ!東京弁や・・・)
その男性の話す言葉で一気に現実に戻された。
「あなたに会ってもらいたい人がいるのですが・・・京都まで二井原さんに会いに行きますので時間を作って頂けませんか?」
後日、京都3条河原町にあるホテルの喫茶店で会うことになった。
僕が喫茶店に着くとすでに東京から来たと思われる男性二人がテーブルに座っていた。
一人はサラリーマン風でスーツを着た男性、もう一人は豹柄のジャケットにロングヘアーのいかにもロックミュージシャンといった若い男性だった。
僕が挨拶をするとその若いロック兄ちゃんは僕の顔をずっと凝視した。
(なんや・・・イメージが違うな)
僕を見た彼の表情がそう語っていた。
「始めまして、TレコードのNと申します。こちらは高崎晃さんというギタープレイヤーです。」
僕はその時「高崎晃」という名前を思い出せずにいた。
「二井原さんはレイジーと言うバンドをご存知ですか?」
(あぁっ!あのバンドのギターの人か!)
僕は即座に思い出した。
Nさんは何故僕に会いに来たかを丁寧に説明してくれた。
「この高崎晃のソロアルバムを作るので、そのアルバムで歌ってくれるシンガーを探しているのです」とレコード会社のNさんは言った。
「それで今、日本中でシンガーを探しています。実は二井原君がやっているバンド、アースシェイカーのバハマでのライブテープが手に入って、それを聞いた高崎君が二井原さんの声に非常に興味を持ったのです。」と矢継ぎ早に続けた。
「世界に通用する本格的なハードロックアルバムを作りたいねん。だから世界に通用できるような強力なヴォーカルを探してんねんけど・・。」と僕の目を見ながら初めて高崎君が話した。
「日本人離れした二井原君のそのハイトーンシャウトぐらいでないと高崎君のギターに負けてしまいます。とにかく、高崎君のハードロックギターに負けない「声」を探しています。二井原さん、是非オーディションを受けてくれませんか?」Nさんは僕への説得に熱が入った。
(世界って・・・世界に通用するハードロックって・・・マジかいな・・)
あまりの大きな話に僕は夢を見ているような感覚になった。
そして僕はかなり緊張していた・・・。
何をどう言って良いのかすぐには言葉が見つからなかった。
「・・・ハイ、分かりました、期待にそえるような歌が歌えるかどうか分かりませんけど・・オーディション受けて見ます。」
気が付けば僕はオーディション受ける返事をしていた。
僕が言ったのではない、誰かに言わされたような不思議な瞬間だった。
後先考えずに言葉が先に出ていた。
「良かった、では早速近いうちにスタジオに来てください。大阪でオーディションをやりたいと思います。場所は後日連絡します。」Nさんは嬉しそうに言った。
課題曲と言うことで高崎君から一本のテープを貰った。
「このテープの中のドリーマーと言う曲があるのでその曲を覚えてきてくれる?」
「後はアースシェイカーでやっているモントローズとかスコーピオンズの曲でも、二井原さんの得意な曲をやりましょう」
高崎君が目を輝かせながら言った。
カセットテープのケースを見ると「LAZY 宇宙船地球号」と書かれていた。
(宇宙船地球号・・・こんなアルバム出しているのか・・・随分とロックっぽいタイトルやな。いったいどんなサウンドなんやろ?)
東京から来た二人と別れ、下宿への帰りのバスの中で貰ったカセットケースを見ながらため息が出た。
(LAZYって「赤頭巾ちゃんご用心」しか知らんなぁ・・・あれはちょっと俺には無理やけどなぁ・・)
そんなことを考えながらテレビの「8時だよ全員集合!」で見たはっぴを着てコントをやっていたLAZYを思い出したりした。
(ポッキーって言う人しか顔は分からんなぁ・・。)
(でも、あのギターの人をハロヤンで観たときはリッチー完コピでGtr目茶上手かったなぁ・・)
様々なことが頭の中をグルグルとよぎった。
高崎君と始めて出会った夜、僕はガールフレンドに始めて今日あったことを話した。
「俺なぁ・・・近いうちにオーディション受けることなってん」
「何のオーディションなん?」
「なんやよう分からんねんけど、レージーって言うバンドの人のオーディションやねん。」
「えっ?あんたレージーに入いんのん?」
「いや~違うと思うけど・・でも、レージーに入るんかなぁ・・・俺・・」
大学入学の頃に僕が一目ぼれして、付き合い始めた彼女。
ずっと僕の音楽活動の一部始終を見てきた女性だった。
いつも僕と一緒にいて、僕を心から支えてくれた女性だった。
誰よりも僕の音楽を理解して、そして応援してくれた女性だった。
誰よりも僕の才能を信じてくれた女性だった。
そして僕は彼女をとても愛していた。
「あんた・・・東京に行くん?・・・一人で行くの?」
この言葉で初めて自分がこれからやろうとしている事に気が付いた。
「どーすんの?もしオーディション受かったら・・・」
東京がとてつもなく遠い所に思えた。
僕は返す言葉が無かった・・・・。
by loudness_ex
| 2008-05-29 18:15
