厳しい現実
LOUDNESS情報
貧乏な京都のアパート暮らしから一転、東京のひぐっつあんやタッカンのマンション暮らしを見てびっくらこいた。
木造の6畳一間共同トイレしか見たことが無かっただけに、(こ、こんな素敵なお部屋・・・)
「ここ家賃なんぼすんの?」
恐る恐る聞いた。
「・・・万や・・」
当時の僕には天文学的数字であった。
こんなところで生きて行けるのかと不安に思った。
----------------------------------------------------------------
工藤が入ってアースシェイカーの2期が始動した。
わったんの後任選びは難航することも無く、いやむしろ工藤がそこに入るべく用意されていたかのシナリオのようだった。
わったんの頃はわったんの自家用車が楽器運びには大活躍したけれど、工藤が入ったら工藤のワンボックスカーが大活躍した。
ちなみに、ドラマーは本当に大変だと思う。
本格的にやればやるほど散財するなぁ・・・。
ドラムセットは馬鹿でかいから簡単に持ち運びが出来ない、その為に車の免許を取得するドラマーも少なくない。
普通車では入りきらないからヴァンのような車が必要だ、ドラムセット以外に車のローンも残る。
車がでかいからメンバーの楽器もついでに運ぶ運命にあるし、ライブの日には楽器だけではなくメンバーも送迎するはめになるし・・。
その上、ドラムは機材の消耗も激しい。
スティックは良く折れるし、ドラムの皮は破れるし、シンバルは割れるし、ペダルも良く壊れるし、・・・・。
ドラムのパワーヒッターはまじで金銭面も大変だと思う。
練習も個人練習を本気でやるとなると貸しスタジオでないと思い存分出来ないだろうし。
そして、ドラマーは良く食うんだなぁ(笑)・・・食費も大変だろう。
その点、ヴォーカルは身軽だ・・・。
ヴォーカル諸君よ、せめて、せめてだな・・・・Myマイクぐらいは買いなさい!
この工藤のワンボックスカーが物凄い手の入れようで、車内は土足厳禁/禁煙は当然として、どこで手に入れたのか気になったけど車内に燦然と輝く派手なシャンデリアが眩しかった、まさにちょっとした豪華な応接室のような印象だった。
ん、これでこそ奈良のヤンキードラマーの典型的姿であろうか・・・
これでこそ奈良が産んだ偉大なるヤンキードラマーの様式美である。
その上車内には、立派なカーステレオセットや充分な容量のスピーカーも設置されていて、奈良から大阪へ移動する時は車内で爆音のアースシェイカーのデモテープを聴いて盛り上がっていたことを昨日のように思い出す。
工藤が加入してからも活動はバハマが拠点だった。
バハマでのライブを積極的にやったお陰で、かなりのロックファンがアースシェイカーの噂を聞いてバハマまでライブに足を運んでくれた。
「あんたら大阪でばっかりやってんと、そろそろ京都とかでやりーな」
バハマのおねーさんが提案してくれた。
「おぉ!京都か!それは凄い、京都や!京都へ進出しよう!」
(たかだか隣の県(厳密には府)である・・・悲しいほどに単純であった。)
おねーさんの口利きもあってだろうか、とにかくアースシェイカーが始めて京都のライブハウスでやることになった。
今で言うところのNY進出のようなものか?(んなぁ~こたぁ~ない、たかだか隣の県(厳密には府。)
アースシェイカー初の(大阪)府外公演だ~~~!!(笑)
3人で工藤のヤンキー号へありったけの機材を詰め込んで京都へ出発した!
ついに、ついに我々も府外進出である!
工藤のアクロバティックな運転に酔いながら京都まで行った。
バハマにはステージらしいステージが無かったけれど、サーカスアンドサーカスは客席より一段高いステージがあった。
PAも照明も立派だった。
客席も満員にすれば300人は楽に入れそうだった。
ちなみにバハマは50人入れば満席で150人超えると窒息しそうだったけど・・・。
サウンドチェックも終わり、メイクもした。
2階にある楽屋席で出番を待っているとお店の人の声がした。
「そろそろお願いしま~~す、本番の時間です。」
「よし!ほな行こか!初めての京都や!!ガツンと言わしたろ!!オーディエンスをノックアウトや!!」
3人は緊張しながらも興奮で顔は紅潮していた、みんなやる気満々であった。
颯爽とステージに立った!!
スポットライトがパッと当たり目が真っ暗になった。
「アースシェカーで~~~す!!!」
僕はシャウトした、ありったけの力でシャウトした、初めての京都である、全身全霊でシャウトした。
「・・・・・・」
客席から反応が無かった・・。
(ん???どないなっとんねん!!)
僕は目を凝らして客席を見た。
真っ暗だった客席がぼんやりと見えた。
(ん????人が・・・・おれへんやん・・・・・)
客席を見渡した、お店のスタッフが後ろに立っているのが見えた・・・。
客席をもっとよく見た。
お客さんはいた、3人・・・その内の一人は僕のガールフレンドだ・・・。
実質お客さんは2人のようだ・・・・
二人のお客さんもちょっと気まずそうだった・・・。
僕がシャウトして煽れば煽るほどお客さんは下を向いた・・・。
「ガツンと言わしたろ!!オーディエンスをノックアウトや!!」と言ったものの、逆にお客さんにノックアウトされたのだ。
これが現実なのである。
みんなこう言う経験をして大きくなるのである。
アースシェイカーはここから武道館まで登りつめるのである!!
とは言ってもその時のヴォーカルはマーシーだけど・・・。
結局、僕の記憶では2ステージ目ではその二人のお客さんも帰ってしまって、僕のガールフレンド一人を相手にライブを頑張ったような・・・・。
「自分ら良かったで!これにめげずに頑張りや!又ここでやってや!」
サーカス&サーカスのスタッフに声をかけてもらった。
こう言う熱血スタッフの熱意がバンドを育てるのである。
バハマのお父さんやおねーさんもそうである。
商売はどこの世界もシビアな世界だけれど、ライブハウスは商売と同じぐらいバンドに対する愛情や熱意がないとやっていけないと思った。
お客さんは少なかったけれど、めげることなく京都から奈良まで元気に3人は帰って行った。
若いって素晴らしい・・・・・!
貧乏な京都のアパート暮らしから一転、東京のひぐっつあんやタッカンのマンション暮らしを見てびっくらこいた。
木造の6畳一間共同トイレしか見たことが無かっただけに、(こ、こんな素敵なお部屋・・・)
「ここ家賃なんぼすんの?」
恐る恐る聞いた。
「・・・万や・・」
当時の僕には天文学的数字であった。
こんなところで生きて行けるのかと不安に思った。
----------------------------------------------------------------
工藤が入ってアースシェイカーの2期が始動した。
わったんの後任選びは難航することも無く、いやむしろ工藤がそこに入るべく用意されていたかのシナリオのようだった。
わったんの頃はわったんの自家用車が楽器運びには大活躍したけれど、工藤が入ったら工藤のワンボックスカーが大活躍した。
ちなみに、ドラマーは本当に大変だと思う。
本格的にやればやるほど散財するなぁ・・・。
ドラムセットは馬鹿でかいから簡単に持ち運びが出来ない、その為に車の免許を取得するドラマーも少なくない。
普通車では入りきらないからヴァンのような車が必要だ、ドラムセット以外に車のローンも残る。
車がでかいからメンバーの楽器もついでに運ぶ運命にあるし、ライブの日には楽器だけではなくメンバーも送迎するはめになるし・・。
その上、ドラムは機材の消耗も激しい。
スティックは良く折れるし、ドラムの皮は破れるし、シンバルは割れるし、ペダルも良く壊れるし、・・・・。
ドラムのパワーヒッターはまじで金銭面も大変だと思う。
練習も個人練習を本気でやるとなると貸しスタジオでないと思い存分出来ないだろうし。
そして、ドラマーは良く食うんだなぁ(笑)・・・食費も大変だろう。
その点、ヴォーカルは身軽だ・・・。
ヴォーカル諸君よ、せめて、せめてだな・・・・Myマイクぐらいは買いなさい!
この工藤のワンボックスカーが物凄い手の入れようで、車内は土足厳禁/禁煙は当然として、どこで手に入れたのか気になったけど車内に燦然と輝く派手なシャンデリアが眩しかった、まさにちょっとした豪華な応接室のような印象だった。
ん、これでこそ奈良のヤンキードラマーの典型的姿であろうか・・・
これでこそ奈良が産んだ偉大なるヤンキードラマーの様式美である。
その上車内には、立派なカーステレオセットや充分な容量のスピーカーも設置されていて、奈良から大阪へ移動する時は車内で爆音のアースシェイカーのデモテープを聴いて盛り上がっていたことを昨日のように思い出す。
工藤が加入してからも活動はバハマが拠点だった。
バハマでのライブを積極的にやったお陰で、かなりのロックファンがアースシェイカーの噂を聞いてバハマまでライブに足を運んでくれた。
「あんたら大阪でばっかりやってんと、そろそろ京都とかでやりーな」
バハマのおねーさんが提案してくれた。
「おぉ!京都か!それは凄い、京都や!京都へ進出しよう!」
(たかだか隣の県(厳密には府)である・・・悲しいほどに単純であった。)
おねーさんの口利きもあってだろうか、とにかくアースシェイカーが始めて京都のライブハウスでやることになった。
今で言うところのNY進出のようなものか?(んなぁ~こたぁ~ない、たかだか隣の県(厳密には府。)
アースシェイカー初の(大阪)府外公演だ~~~!!(笑)
3人で工藤のヤンキー号へありったけの機材を詰め込んで京都へ出発した!
ついに、ついに我々も府外進出である!
工藤のアクロバティックな運転に酔いながら京都まで行った。
バハマにはステージらしいステージが無かったけれど、サーカスアンドサーカスは客席より一段高いステージがあった。
PAも照明も立派だった。
客席も満員にすれば300人は楽に入れそうだった。
ちなみにバハマは50人入れば満席で150人超えると窒息しそうだったけど・・・。
サウンドチェックも終わり、メイクもした。
2階にある楽屋席で出番を待っているとお店の人の声がした。
「そろそろお願いしま~~す、本番の時間です。」
「よし!ほな行こか!初めての京都や!!ガツンと言わしたろ!!オーディエンスをノックアウトや!!」
3人は緊張しながらも興奮で顔は紅潮していた、みんなやる気満々であった。
颯爽とステージに立った!!
スポットライトがパッと当たり目が真っ暗になった。
「アースシェカーで~~~す!!!」
僕はシャウトした、ありったけの力でシャウトした、初めての京都である、全身全霊でシャウトした。
「・・・・・・」
客席から反応が無かった・・。
(ん???どないなっとんねん!!)
僕は目を凝らして客席を見た。
真っ暗だった客席がぼんやりと見えた。
(ん????人が・・・・おれへんやん・・・・・)
客席を見渡した、お店のスタッフが後ろに立っているのが見えた・・・。
客席をもっとよく見た。
お客さんはいた、3人・・・その内の一人は僕のガールフレンドだ・・・。
実質お客さんは2人のようだ・・・・
二人のお客さんもちょっと気まずそうだった・・・。
僕がシャウトして煽れば煽るほどお客さんは下を向いた・・・。
「ガツンと言わしたろ!!オーディエンスをノックアウトや!!」と言ったものの、逆にお客さんにノックアウトされたのだ。
これが現実なのである。
みんなこう言う経験をして大きくなるのである。
アースシェイカーはここから武道館まで登りつめるのである!!
とは言ってもその時のヴォーカルはマーシーだけど・・・。
結局、僕の記憶では2ステージ目ではその二人のお客さんも帰ってしまって、僕のガールフレンド一人を相手にライブを頑張ったような・・・・。
「自分ら良かったで!これにめげずに頑張りや!又ここでやってや!」
サーカス&サーカスのスタッフに声をかけてもらった。
こう言う熱血スタッフの熱意がバンドを育てるのである。
バハマのお父さんやおねーさんもそうである。
商売はどこの世界もシビアな世界だけれど、ライブハウスは商売と同じぐらいバンドに対する愛情や熱意がないとやっていけないと思った。
お客さんは少なかったけれど、めげることなく京都から奈良まで元気に3人は帰って行った。
若いって素晴らしい・・・・・!
by loudness_ex
| 2008-05-05 11:13