上之宮高校「文化祭」
WILD BOARは文化祭へ向けて練習に励んだ。
文化祭の前になると教室での演奏練習の許可が出た。
小さな音だったけれど、一生懸命練習した。
気が付くと、我々の教室以外のところからもバンドの練習の音が聞こえた。
どうやら上級生のバンドらしかった。
僕達は練習をやめて先輩の練習を見に行った。
先輩バンドは皆ロングヘアーで格好良かった。
驚いたことに、その先輩バンドはPAらしきものを持ち込んでの練習であった。
曲はディープパープルのHighWayStarのイントロ部分をやっていて、なんとヴォーカルの人はローランドのテープエコーを駆使して、あの有名なイントロのロングトーンのシャウトをレコード通り再現していた。
初めて生のハードロックヴォーカル(もどき)を聞いた瞬間である。
(おぉーあのエフェクター格好ええな・・・)
先輩バンドに触発され、ライバル心を燃やしますますやる気になったWILD BOARであった。
とにかくディープパープルは演奏が大変そうだった。
僕にはイアンギランは中途半端なキーだったので歌いにくかった。
イアンギラン、歌中のキーは決して高くない、普通の男性キーのトップの音、専門的に言うとMid2E~Gのあたりをウロウロして、いきなりヘッドヴォイスでHiG~HiHiAへ飛び上がるのが特徴だ。
クラウスマイネは歌中から見事なミドルヴォイスを駆使してHiAあたりを縦横無尽に歌い上げるけどギランのようなヘッドヴォイスでの超高音シャウトは無い、とは言うものの所謂ハイトーンメタルヴォイスの真髄と言える。
僕はどちらかと言えば地声がすでに女性の声域なので、クラウスマイネは歌いやすかった。
デイヴィッドカヴァーデールやイアンギランと言ったディープで低く太いチェストヴォイスは出ないのである。
そんな中、ドラム初心者だったT君はもうすっかりその気になって、文化祭の為になんと高価なドラムセットを買ってしまったのである。
みんなやる気満々であった。
当時、男子校である上之宮高校の秋の文化祭ともなると、物凄い数の女子高生が押し寄せた。
四天王寺女子高、松蔭学院、プール女学院、大阪女学院などなどから、上之宮高校総生徒数の悠に3倍以上の女子高生で溢れかえった・・・。
そんな話を聞いて、ロック演奏が「命」となっていた純粋まっすぐ一直線童貞16歳男子高生ロッカー達ははたと目が覚めそして浮き足立ったのは言うまでもない。
しかしながら、純粋まっすぐ一直線童貞16歳男子高生ロッカーには「女の子」と「ロック」が結びつかないほどに、悲しいほどに純粋であった。
硬派にロック演奏以外のことを考えるのは不純なような気さえしていた。
「女の子にもてるためにバンドをやる」と言う話はよくある話だけれど、WILD BOARの純粋童貞16歳男子高生ロッカー達にはあり得ない話であった。
文化祭の前日我々「軽音楽部」の教室のステージを作ることになった。
PAは上本町のいつも練習している楽器屋さんで借りることにした。
PAと言ってもアンプ内臓の160cmほどの小さなスピーカーが2本とミキサーだけである。
運転免許の無い我々は市バスに乗って楽器屋へ行き、あろうことかPA全部を市バスに乗っけて学校まで運んだのである。
若いとは恐ろしい話である。
教壇がステージになった。
初めてPAをセットした。
今となってはどうやってPAをセッティングしたのか、マイクは誰が立てたのか、ミックスは誰がしたのか、全く記憶に無い・・・。
僕はステージに上がって客席を見渡した。
鳥肌が立つほどに興奮した。
嬉しいやら怖いやらである。
ドラマーのT君がシンバルを叩いた音で現実に戻った。
「リハやろか?」シャラがニコニコしながら言った。
みんなそれぞれの楽器を用意し始めた。
ステージの上に全員が立った。
僕は中央でマイクの前に立った。
僕は足が震えていた・・・照明が目に入り気絶しそうになった・・・。
文化祭の前になると教室での演奏練習の許可が出た。
小さな音だったけれど、一生懸命練習した。
気が付くと、我々の教室以外のところからもバンドの練習の音が聞こえた。
どうやら上級生のバンドらしかった。
僕達は練習をやめて先輩の練習を見に行った。
先輩バンドは皆ロングヘアーで格好良かった。
驚いたことに、その先輩バンドはPAらしきものを持ち込んでの練習であった。
曲はディープパープルのHighWayStarのイントロ部分をやっていて、なんとヴォーカルの人はローランドのテープエコーを駆使して、あの有名なイントロのロングトーンのシャウトをレコード通り再現していた。
初めて生のハードロックヴォーカル(もどき)を聞いた瞬間である。
(おぉーあのエフェクター格好ええな・・・)
先輩バンドに触発され、ライバル心を燃やしますますやる気になったWILD BOARであった。
とにかくディープパープルは演奏が大変そうだった。
僕にはイアンギランは中途半端なキーだったので歌いにくかった。
イアンギラン、歌中のキーは決して高くない、普通の男性キーのトップの音、専門的に言うとMid2E~Gのあたりをウロウロして、いきなりヘッドヴォイスでHiG~HiHiAへ飛び上がるのが特徴だ。
クラウスマイネは歌中から見事なミドルヴォイスを駆使してHiAあたりを縦横無尽に歌い上げるけどギランのようなヘッドヴォイスでの超高音シャウトは無い、とは言うものの所謂ハイトーンメタルヴォイスの真髄と言える。
僕はどちらかと言えば地声がすでに女性の声域なので、クラウスマイネは歌いやすかった。
デイヴィッドカヴァーデールやイアンギランと言ったディープで低く太いチェストヴォイスは出ないのである。
そんな中、ドラム初心者だったT君はもうすっかりその気になって、文化祭の為になんと高価なドラムセットを買ってしまったのである。
みんなやる気満々であった。
当時、男子校である上之宮高校の秋の文化祭ともなると、物凄い数の女子高生が押し寄せた。
四天王寺女子高、松蔭学院、プール女学院、大阪女学院などなどから、上之宮高校総生徒数の悠に3倍以上の女子高生で溢れかえった・・・。
そんな話を聞いて、ロック演奏が「命」となっていた純粋まっすぐ一直線童貞16歳男子高生ロッカー達ははたと目が覚めそして浮き足立ったのは言うまでもない。
しかしながら、純粋まっすぐ一直線童貞16歳男子高生ロッカーには「女の子」と「ロック」が結びつかないほどに、悲しいほどに純粋であった。
硬派にロック演奏以外のことを考えるのは不純なような気さえしていた。
「女の子にもてるためにバンドをやる」と言う話はよくある話だけれど、WILD BOARの純粋童貞16歳男子高生ロッカー達にはあり得ない話であった。
文化祭の前日我々「軽音楽部」の教室のステージを作ることになった。
PAは上本町のいつも練習している楽器屋さんで借りることにした。
PAと言ってもアンプ内臓の160cmほどの小さなスピーカーが2本とミキサーだけである。
運転免許の無い我々は市バスに乗って楽器屋へ行き、あろうことかPA全部を市バスに乗っけて学校まで運んだのである。
若いとは恐ろしい話である。
教壇がステージになった。
初めてPAをセットした。
今となってはどうやってPAをセッティングしたのか、マイクは誰が立てたのか、ミックスは誰がしたのか、全く記憶に無い・・・。
僕はステージに上がって客席を見渡した。
鳥肌が立つほどに興奮した。
嬉しいやら怖いやらである。
ドラマーのT君がシンバルを叩いた音で現実に戻った。
「リハやろか?」シャラがニコニコしながら言った。
みんなそれぞれの楽器を用意し始めた。
ステージの上に全員が立った。
僕は中央でマイクの前に立った。
僕は足が震えていた・・・照明が目に入り気絶しそうになった・・・。
by loudness_ex
| 2008-03-17 18:16