シャラこと石原慎一郎氏との出会い
「バンドやらへんか?」田中健そっくりのこの男は屈託の無い笑顔で声をかけてきた。
「なんか楽器できんの?バンドのメンバー探してんねんけど」
僕は「ベースやってる」と言った。
確かにベースはやっていた、かなり我流で・・・。
中学校1年生の頃、級友とバンドをやろということになって、「お前ベースやれ」と言われてはじめたベースギター。
当時は「ベースって何やねん?」と言うぐらい、その存在すらも知らなかったわけだが級友に「お前はポールマッカートニー担当や」と説得された。
(そうか俺はポールマッカートニーか、それは責任重大や)すでにビートルズにのめりこんでいたからポールマッカートニーと聞いただけで身に余る光栄。
「ベース言うたらな、4弦しかないねん。低音担当や」級友は教えてくれた。
ちなみにそいつはジョンレノン担当やと勝手に言っておった。
早速、近所の楽器屋へ行ってそのベースなるものを見に行った。
天王寺の楽器屋へ行って、「すんません、ベースってどれですか?」と店員さんに恐る恐る聞いた。
案内されたベースギターのコーナー!
まさに、神々しく陳列されたベースギターに「こ、これがベースかぁ」とため息をつきながら、体の奥底から「これがお前のやるべきことだよ」と言う魂の声を感じたように思う。
明けても暮れても頭の中はあの美しいベースギターに魅了されていた。
そして、お正月にめでたくベースギターを手に入れた。
今となっては記憶が定かではないが、おばぁちゃんが買ってくれたように思う。
フェンダージャズベースのコピーでケース付1万円ぐらいだったと思う。
フェンダーのコピーのフェルナンデスのコピーのフレッシュと言うメーカーだ。
どうしてジャズベースだったのかは不明だ、ポールのヴァイオリンベースが欲しかったはずだが・・恐らく値段が高すぎたのだろうね。
兎に角、夢のベースギターを無理をして手に入れた。
四角いハードケースがずっしりと重かったけど、その重さが幸せだった。
早速その四角いハードケースを学校へ持っていった。
「おい、ベース買うたで!」嬉々として級友に自慢げに見せた。
「うそやん!お前本気で買うたんか!」今から思えば級友はバンドをすることにそれほど本気ではなかったようだ。
「お前ジョンレノンやろ、ギターはあるんか?」チュウーニングすらできないベースを肩に下げながらつぶやいた。
級友は「おおまぁな」とか言いながら手にしているのはハーモニカやん!!
それに、リンゴスターとジョージハリスンはどこにおんねん!!
かくして、ハーモニカとベースギターと言う変則ビートルズコピーバンドはスタートした。
そのハーモニカ君はバンド活動は適当であったが、僕はベースに夢中になった。
まずは何はともあれ教則本を買った。
そこで初めて、チューニングなるものを知った。
チューニングには音叉が必要だということも知った。
音叉も買った。
エレキベースにはアンプが必要だと言うこともはじめて知った。
残念ながら、高価すぎて中学1年生にはアンプは買えなかった。
半年ほどたっても、チュウーニングすら出来ずにいた。
とにかくチュウーニングの壁がまず大きく立ちふさがったのである。
ある日音楽雑誌の写真を見て「おぉ!!これや!」
あるバンドのベースギターが目に留まり「この糸巻きの形をまねたらええんやん!!」
かくして、フレッシュ君の糸巻き、その写真そっくりの方向を真似た・・・・
アホである。
こうして、チュウーニングも出来ないまま中学生活は終わったのである・・
「おぉ!お前ベース弾けるんか!!ばっちりやんけ!!」シャラと言うニックネームを持つ男前は嬉しそうに話しかける。
「早速音あわそうや!」バンドの話がどんどん進む。
今さら「いやベースは持ってるだけで、チューニングも出来ないんです」とは言えなくなった。
「ほな、とりあえずモントローズや!明日テープ持ってくるわ!」シャラはまくし立てる。
(モントローズってなんや・・・・)頭の中はほとんどパニック状態だ。
二井原実、人生初の本格的ロックバンドが始まった瞬間である。
「なんか楽器できんの?バンドのメンバー探してんねんけど」
僕は「ベースやってる」と言った。
確かにベースはやっていた、かなり我流で・・・。
中学校1年生の頃、級友とバンドをやろということになって、「お前ベースやれ」と言われてはじめたベースギター。
当時は「ベースって何やねん?」と言うぐらい、その存在すらも知らなかったわけだが級友に「お前はポールマッカートニー担当や」と説得された。
(そうか俺はポールマッカートニーか、それは責任重大や)すでにビートルズにのめりこんでいたからポールマッカートニーと聞いただけで身に余る光栄。
「ベース言うたらな、4弦しかないねん。低音担当や」級友は教えてくれた。
ちなみにそいつはジョンレノン担当やと勝手に言っておった。
早速、近所の楽器屋へ行ってそのベースなるものを見に行った。
天王寺の楽器屋へ行って、「すんません、ベースってどれですか?」と店員さんに恐る恐る聞いた。
案内されたベースギターのコーナー!
まさに、神々しく陳列されたベースギターに「こ、これがベースかぁ」とため息をつきながら、体の奥底から「これがお前のやるべきことだよ」と言う魂の声を感じたように思う。
明けても暮れても頭の中はあの美しいベースギターに魅了されていた。
そして、お正月にめでたくベースギターを手に入れた。
今となっては記憶が定かではないが、おばぁちゃんが買ってくれたように思う。
フェンダージャズベースのコピーでケース付1万円ぐらいだったと思う。
フェンダーのコピーのフェルナンデスのコピーのフレッシュと言うメーカーだ。
どうしてジャズベースだったのかは不明だ、ポールのヴァイオリンベースが欲しかったはずだが・・恐らく値段が高すぎたのだろうね。
兎に角、夢のベースギターを無理をして手に入れた。
四角いハードケースがずっしりと重かったけど、その重さが幸せだった。
早速その四角いハードケースを学校へ持っていった。
「おい、ベース買うたで!」嬉々として級友に自慢げに見せた。
「うそやん!お前本気で買うたんか!」今から思えば級友はバンドをすることにそれほど本気ではなかったようだ。
「お前ジョンレノンやろ、ギターはあるんか?」チュウーニングすらできないベースを肩に下げながらつぶやいた。
級友は「おおまぁな」とか言いながら手にしているのはハーモニカやん!!
それに、リンゴスターとジョージハリスンはどこにおんねん!!
かくして、ハーモニカとベースギターと言う変則ビートルズコピーバンドはスタートした。
そのハーモニカ君はバンド活動は適当であったが、僕はベースに夢中になった。
まずは何はともあれ教則本を買った。
そこで初めて、チューニングなるものを知った。
チューニングには音叉が必要だということも知った。
音叉も買った。
エレキベースにはアンプが必要だと言うこともはじめて知った。
残念ながら、高価すぎて中学1年生にはアンプは買えなかった。
半年ほどたっても、チュウーニングすら出来ずにいた。
とにかくチュウーニングの壁がまず大きく立ちふさがったのである。
ある日音楽雑誌の写真を見て「おぉ!!これや!」
あるバンドのベースギターが目に留まり「この糸巻きの形をまねたらええんやん!!」
かくして、フレッシュ君の糸巻き、その写真そっくりの方向を真似た・・・・
アホである。
こうして、チュウーニングも出来ないまま中学生活は終わったのである・・
「おぉ!お前ベース弾けるんか!!ばっちりやんけ!!」シャラと言うニックネームを持つ男前は嬉しそうに話しかける。
「早速音あわそうや!」バンドの話がどんどん進む。
今さら「いやベースは持ってるだけで、チューニングも出来ないんです」とは言えなくなった。
「ほな、とりあえずモントローズや!明日テープ持ってくるわ!」シャラはまくし立てる。
(モントローズってなんや・・・・)頭の中はほとんどパニック状態だ。
二井原実、人生初の本格的ロックバンドが始まった瞬間である。
by loudness_ex
| 2008-03-08 08:49
