I'm gonna miss you...
沢山のコメントに驚いています!!
みなさんの色んな気持ちが良く分かります。
そして、みんなの優しさが身に染みますわ!
ありがとう!
**********************
サンフランシスコ滞在中はミッシェルの家に宿泊させてもらった。
ミッシェルは事前にお母さんに僕のことを話していなかったのか、お母さんが始めて日本人の僕に会った時、とても驚いた様子だった。
「Oh my!!!」
両手を上げ、映画などでよく観るいかにもアメリカ人らしい表情で驚いた。
「ミッシェル、この人はあなたのボーイフレンドなの?」
ミッシェルは笑っているだけで、お母さんの肝心な質問にははっきりとは答えなかった。
「まぁ~遠いところから来てくれたのだから・・・」と言って、取り合えず家の中に僕を招き入れてくれた。
ミッシェルはちょっと複雑な家庭環境でお母さんと二人暮らしだった。
お父さんには会ったことが無いと言っていた。
リビングと二部屋の小さなアパート。
そこがミッシェルの住んでいる家だった。
始めは戸惑っていたお母さんだったけれど、数日で仲良くなった。
とても面倒見が良くて、色々僕の世話を焼いてくれたのだ。
アメリカ人の家に暮らすのは当然初めてだった。
語学留学のホームステイみたいなものか。
殆ど英語が喋れなかった僕は滞在数日でノイローゼみたいになった。
ミッシェルやミッシェルのお母さん、ミッシェルの友達の話す言葉が全く聞き取れず、被害妄想というのか、みんなで僕の悪口を言っているのではないかと思った。
酷い孤独感と自己嫌悪。
滞在数日はミッシェルとうまくコミュニケーションが取れずほとほと精神的に疲れた。
何より日本語が喋れないのも苦痛だった。
英語を喋るのが億劫になったので、夜になるとリビングで一人お酒を呑む量が増えた。
ミッシェルのお母さんに「あんた!呑み過ぎだ!」と言って怒られた。
ミッシェルはミュージシャンの友達が多くて、沢山の地元ミュージシャンが僕に会いに来てくれた。
幾度と無く彼等のパーティーにも呼ばれた。
パーティーと言っても会場は誰かの家なんだけど。
そんなあるパーティーでメタリカのカークを紹介された。
カークは優しげでとても友好的な人だった。
髪が黒いせいか親近感が沸いた。
僕の語学力のせいであまり多くは話せ無かったのが残念だった。
その頃、メタリカの”KILL’M ALL”のアルバムが出たばかりで、そのアルバムを大音量で流していた。
「このアルバムはどう思う?」
そんなことをカークに聞かれたと思うけれど、気の利いた返事が出来ずに「グレート」としか言えなかった。
そんな僕を見て彼は微笑んで親指を立てながら”Cool!”と言っていた。
僕は”Cool!”の意味が分からず、僕の返事の内容が「冷たかったのか?」と思って焦った。
その時に、特に親しくなったのは後にVicious RumorのギターリストになったMark McGeeだった。
彼とはしばらく文通をやっていて彼はデモテープなど頻繁に送ってくれた。
今でもクリスマスやハロウイーンの時期にはカードを送ってくれる。
とても優しい人だ。
パーティーに来ている人はみんな既にメタリカの曲をよく知っていて、全員が大合唱していた。
スラッシュメタルのスピードチューンを全員が合唱するのだ。
その様は見ていて圧巻だった。
みんなビール、ラム、バーボンをガンガン呑んでステレオに向かって頭を激しく振っている。
異様な空間だった。
「Hey! Minoru! You want some?」
誰かが僕にマリファナを勧めてきた。
日本では考えられない光景だ。
みんな目は虚ろになり完全にトンデいた。
僕が返事に窮しているとミッシェルが血相を変えて飛んで来た。
「この人は日本人よ!何考えてんのあんた!!」
ミッシェルの一喝でそのラリっている奴は”Hey!Minoru! Welcome to America!”と言って大笑いしながらどっかへ消えた。
ミッシェルは僕の腕を取ってもう帰ろうと言った。
僕もその方が良さそうだと思った。
帰りの車の中でミッシェルが聞いてきた。
「あなたマリファナとかやらないわよね?」
僕は「Never!」と言って、逮捕される格好をした。
その格好を見て「ええっ!!日本ではマリファナで逮捕されるの?嘘でしょ??」と言って驚いた。
「ここでは高校生ならみんな一度は経験するわ。」ミッシェルは言った。
「アメリカのロックミュージシャンからの誘惑が多いから気をつけてね!マリファナの次はコケインその次はヘロインで・・・そして死んでいくのよ・・そんな風になった人知っているから・・・絶対に手を出さないでね・・・こんなことで死んで欲しくないから・・・私を悲しませないでね・・絶対よ!約束だからね!」
ミッシェルのゆっくりと話す言葉はすべて理解できた。
僕を見つめるミッシェルの目が真剣だった。
サンフランシスコで約3週間過ごした。
気がついたら英語がかなり聞き取れて、理解出きるようになっていた。
サフランシスコ最後の日に、お母さんとミッシェルを日本料理店へ招待した。
お母さんは目を丸くしながら恐る恐る色々挑戦して食べていたけれど、ミッシェルは日本食はまったくダメだった。
海老の天ぷらを唯一食べていた。
日本酒は美味しいと言って飲んではいたけれど・・・。
日本へ帰る日の朝、お母さんに「色々ありがとう」とお礼を言った。
「あなたは私の息子よ!」と言って目に涙を一杯ためて抱きついて言った。
“ I’m gonna miss you…”
“ I’m gonna miss you too”
何も考えないで自然に僕の口から出た言葉だった。
気がつけば、英語がやっと僕の中に入ってきた・・・。
みなさんの色んな気持ちが良く分かります。
そして、みんなの優しさが身に染みますわ!
ありがとう!
**********************
サンフランシスコ滞在中はミッシェルの家に宿泊させてもらった。
ミッシェルは事前にお母さんに僕のことを話していなかったのか、お母さんが始めて日本人の僕に会った時、とても驚いた様子だった。
「Oh my!!!」
両手を上げ、映画などでよく観るいかにもアメリカ人らしい表情で驚いた。
「ミッシェル、この人はあなたのボーイフレンドなの?」
ミッシェルは笑っているだけで、お母さんの肝心な質問にははっきりとは答えなかった。
「まぁ~遠いところから来てくれたのだから・・・」と言って、取り合えず家の中に僕を招き入れてくれた。
ミッシェルはちょっと複雑な家庭環境でお母さんと二人暮らしだった。
お父さんには会ったことが無いと言っていた。
リビングと二部屋の小さなアパート。
そこがミッシェルの住んでいる家だった。
始めは戸惑っていたお母さんだったけれど、数日で仲良くなった。
とても面倒見が良くて、色々僕の世話を焼いてくれたのだ。
アメリカ人の家に暮らすのは当然初めてだった。
語学留学のホームステイみたいなものか。
殆ど英語が喋れなかった僕は滞在数日でノイローゼみたいになった。
ミッシェルやミッシェルのお母さん、ミッシェルの友達の話す言葉が全く聞き取れず、被害妄想というのか、みんなで僕の悪口を言っているのではないかと思った。
酷い孤独感と自己嫌悪。
滞在数日はミッシェルとうまくコミュニケーションが取れずほとほと精神的に疲れた。
何より日本語が喋れないのも苦痛だった。
英語を喋るのが億劫になったので、夜になるとリビングで一人お酒を呑む量が増えた。
ミッシェルのお母さんに「あんた!呑み過ぎだ!」と言って怒られた。
ミッシェルはミュージシャンの友達が多くて、沢山の地元ミュージシャンが僕に会いに来てくれた。
幾度と無く彼等のパーティーにも呼ばれた。
パーティーと言っても会場は誰かの家なんだけど。
そんなあるパーティーでメタリカのカークを紹介された。
カークは優しげでとても友好的な人だった。
髪が黒いせいか親近感が沸いた。
僕の語学力のせいであまり多くは話せ無かったのが残念だった。
その頃、メタリカの”KILL’M ALL”のアルバムが出たばかりで、そのアルバムを大音量で流していた。
「このアルバムはどう思う?」
そんなことをカークに聞かれたと思うけれど、気の利いた返事が出来ずに「グレート」としか言えなかった。
そんな僕を見て彼は微笑んで親指を立てながら”Cool!”と言っていた。
僕は”Cool!”の意味が分からず、僕の返事の内容が「冷たかったのか?」と思って焦った。
その時に、特に親しくなったのは後にVicious RumorのギターリストになったMark McGeeだった。
彼とはしばらく文通をやっていて彼はデモテープなど頻繁に送ってくれた。
今でもクリスマスやハロウイーンの時期にはカードを送ってくれる。
とても優しい人だ。
パーティーに来ている人はみんな既にメタリカの曲をよく知っていて、全員が大合唱していた。
スラッシュメタルのスピードチューンを全員が合唱するのだ。
その様は見ていて圧巻だった。
みんなビール、ラム、バーボンをガンガン呑んでステレオに向かって頭を激しく振っている。
異様な空間だった。
「Hey! Minoru! You want some?」
誰かが僕にマリファナを勧めてきた。
日本では考えられない光景だ。
みんな目は虚ろになり完全にトンデいた。
僕が返事に窮しているとミッシェルが血相を変えて飛んで来た。
「この人は日本人よ!何考えてんのあんた!!」
ミッシェルの一喝でそのラリっている奴は”Hey!Minoru! Welcome to America!”と言って大笑いしながらどっかへ消えた。
ミッシェルは僕の腕を取ってもう帰ろうと言った。
僕もその方が良さそうだと思った。
帰りの車の中でミッシェルが聞いてきた。
「あなたマリファナとかやらないわよね?」
僕は「Never!」と言って、逮捕される格好をした。
その格好を見て「ええっ!!日本ではマリファナで逮捕されるの?嘘でしょ??」と言って驚いた。
「ここでは高校生ならみんな一度は経験するわ。」ミッシェルは言った。
「アメリカのロックミュージシャンからの誘惑が多いから気をつけてね!マリファナの次はコケインその次はヘロインで・・・そして死んでいくのよ・・そんな風になった人知っているから・・・絶対に手を出さないでね・・・こんなことで死んで欲しくないから・・・私を悲しませないでね・・絶対よ!約束だからね!」
ミッシェルのゆっくりと話す言葉はすべて理解できた。
僕を見つめるミッシェルの目が真剣だった。
サンフランシスコで約3週間過ごした。
気がついたら英語がかなり聞き取れて、理解出きるようになっていた。
サフランシスコ最後の日に、お母さんとミッシェルを日本料理店へ招待した。
お母さんは目を丸くしながら恐る恐る色々挑戦して食べていたけれど、ミッシェルは日本食はまったくダメだった。
海老の天ぷらを唯一食べていた。
日本酒は美味しいと言って飲んではいたけれど・・・。
日本へ帰る日の朝、お母さんに「色々ありがとう」とお礼を言った。
「あなたは私の息子よ!」と言って目に涙を一杯ためて抱きついて言った。
“ I’m gonna miss you…”
“ I’m gonna miss you too”
何も考えないで自然に僕の口から出た言葉だった。
気がつけば、英語がやっと僕の中に入ってきた・・・。
by loudness_ex
| 2009-02-23 17:25
